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【Django】Herokuへデプロイしアプリを公開

Django

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はじめに

Herokuを使って、Djangoプロジェクトを公開する手順をまとめました。
個人で開発したアプリケーションを手軽に公開することができます。

他にも私のブログで、Djangoについて解説している記事がありますのでご覧ください。

使用するバージョン
  • Windows 11 / 10 or macOS Monterey (M1)
  • Python 3.10.2
  • Django 4.0.2
  • Heroku
  • PostgreSQL

クライアントの作業は、WindowsでもMacでも同様にできます。

2022/08/27 追記:無料プラン廃止について

Herokuは、以下の無料プランを廃止すると発表しました。

  • Heroku Dynos
  • Heroku Postgres
  • Heroku Data for Redis
PaaS「Heroku」が無料プラン廃止、11月から 非アクティブなアカウントとストレージも削除
米Salesforceの子会社である米Herokuは、同社が提供するPaaS「Heroku」の無料プランを廃止すると発表した。今後はサービスの運営上不可欠なミッションクリティカルな機能の提供にリソースを集中させると説明している。

今後、プランにつきましては公式サイトをご確認ください。

Herokuとは

PHP+MySQLのような組み合わせであれば、レンタルサーバーで十分に足りるでしょう。

ただ、Node.jsやPython+Djangoのような環境を公開サーバーに用意したい場合は、レンタルサーバーでは対応できません。

VPSなどで構築することもできますが、Apacheなど色々とインストールを行い、日々運用(セキュリティアップデートなど)を行うのは大変です。

HerokuはPaaS(Platform as a Service)であり、ダッシュボードで環境を選択することにより、手軽に構築を行うことができます。
また、プランにもよりますがスケーリングも可能で、様々なアプリをデプロイし公開することができます。

Dyno formation のスケーリング | Heroku Dev Center
Heroku の各アプリには一連の実行中の dyno とその Dyno formation があり、コマンドラインまたはダッシュボードからすぐにスケールアップまたはスケールダウンできます。

個人で開発したアプリをとりあえず公開してみたい!という場合に使うのも良いでしょう。

Laravelで作成したアプリもHerokuで公開できます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

アプリを開発しスピード感を持って公開できるのがメリットの一つでしょう。

Herokuのプラットフォームで使用されるコンテナは、軽量Linuxコンテナ「dyno(ダイノ)」です。

新規登録など、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

Heroku CLIのインストール

WindowsとMacのそれぞれで、インストール方法を解説します。

Windows

Windowsで作業を行う場合ですが、今回はWSL2のUbuntuを使用しました。
導入は簡単にできますので、以下の記事を参考にしてください。

HerokuのCLIツールとして、Windowsのインストーラもあります。
インストール後、コマンドプロンプトやPowerShellで「heroku」コマンドが使用できるようになりますが、別途Gitのインストールも必要になります。

以下のページにアクセスします。

The Heroku CLI | Heroku Dev Center
How to download, install, and start using the Heroku CLI. The Heroku CLI used to be part of the Heroku Toolbelt.

それぞれのOSごとにインストール方法が記載されています。
今回はWSL2のUbuntuにインストールしますが、以下のコマンドでした。

上記のページにあるUbuntuで「snap」コマンドを使用したインストールはうまくいきませんでした。

以降はWSL2のUbuntuからコマンドを実行していきます。

以下のコマンドを実行します。

$ curl https://cli-assets.heroku.com/install-ubuntu.sh | sh

インストールが完了しました。バージョンを確認しましょう。

$ heroku --version

heroku/7.59.2 linux-x64 node-v12.21.0

ついでにGitのバージョンも確認しましょう。
Ubuntuには最初からインストールされていました。

$ git --version

git version 2.25.1

Git は、ほとんどの Linux 用 Windows サブシステムのディストリビューションと一緒に既にインストールされていますが、最新バージョンに更新したほうがよい場合があります。 また、git 構成ファイルを設定する必要もあります。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/tutorials/wsl-git

最新のGitのバージョンは、現時点で2.34.1でした。
UbuntuにインストールされていたGitのバージョンがやや古いですが、必要に応じてアップデートすると良いでしょう。

これでHeroku CLIを使う準備ができました。

Mac

Macで作業を行うために、Heroku CLIをインストールします。

以下のページにアクセスします。

The Heroku CLI | Heroku Dev Center
How to download, install, and start using the Heroku CLI. The Heroku CLI used to be part of the Heroku Toolbelt.

それぞれのOSごとにインストール方法が記載されています。

Homebrewをインストールしていない場合は、以下の記事を参考にしてください。

ターミナルを起動し、以下のコマンドを実行します。

% brew tap heroku/brew && brew install heroku

インストールが完了しました。バージョンを確認しましょう。

% heroku --version

heroku/7.60.1 darwin-x64 node-v14.19.0

Gitのインストールも行いましょう。
インストールされているかどうか、以下のコマンドを実行します。

% git --version

Gitがインストールされていない場合は、以下のダイアログが表示されますのでインストールを選択します。

“git”コマンドを実行するには、コマンドライン・デベロッパツールが必要です。ツールを今すぐインストールしますか?
コマンドライン・デベロッパツールを今すぐダウンロードしてインストールするには、”インストール”を選択してください。

規約を確認します。

完了しました。

インストール完了後、以下のコマンドでGitのバージョンが確認できます。

% git --version

git version 2.30.1 (Apple Git-130)

Git用のメールアドレスと名前を設定しておきましょう。

% git config --global user.email "you@example.com"
% git config --global user.name "Your Name"

Heroku CLIを使う準備ができました。

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Djangoプロジェクトの用意

今回は以下の記事で作成した、カレンダーアプリを公開してみます。

ソースコードはGitHubへ公開していますので、参考にしてください。

GitHub - chigusa-web/djangoCalendarApp: Djangoでカレンダー(スケジュール管理)アプリケーション(FullCalendar)
Djangoでカレンダー(スケジュール管理)アプリケーション(FullCalendar). Contribute to chigusa-web/djangoCalendarApp development by creating an acc...

Herokuへデプロイ準備

実行環境ファイルの作成

Pythonの環境でコマンドを実行します。
今回はVS Codeのリモート開発で、Dockerコンテナ上を開発環境としている前提です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

VS Codeを起動し、F1キーを押しコマンドパレットを開きます。
「Open Folder in Container」と入力し選択します。

参考までに以前とメニューの表示方法が変わりました。

VS Codeのターミナルを開きます。

コンテナ上でコマンドの実行ができますので、以降のコマンドはここから実行します。

Dockerコンテナを使用していない場合は、各自のPythonの実行環境上でコマンドを実行してください。

Pythonのパッケージを、実行環境に追加します。

$ pip install django-heroku
$ pip install gunicorn
$ pip install whitenoise
  • django-heroku: HerokuのConfigをDjangoの設定で読み込むためのパッケージ
  • gunicorn: Pythonサーバーのパッケージ
  • whitenoise: staticを扱うためのパッケージ

Python環境にインストールされている、パッケージの一覧を出力します。

$ pip freeze > requirements.txt

プロジェクト直下に、requirements.txtというファイルが作成されます。

各自の環境にもよりますが、実行環境のパッケージとバージョンが出力されます。

requirements.txt
asgiref==3.5.0
autopep8==1.6.0
certifi==2021.10.8
charset-normalizer==2.0.12
dj-database-url==0.5.0
Django==4.0.3
django-heroku==0.3.1
gunicorn==20.1.0
idna==3.3
mysqlclient==2.1.0
psycopg2==2.9.3
pycodestyle==2.8.0
requests==2.27.1
sqlparse==0.4.2
toml==0.10.2
urllib3==1.26.8
whitenoise==6.0.0

後ほど使いますので、Pythonのバージョンを確認します。

$ python --version

Python 3.10.2

Herokuの本番環境用に、Djangoの秘密鍵を再生成します。

$ python manage.py shell

対話モードで以下のコードを実行します。

>>> from django.core.management.utils import get_random_secret_key
>>> get_random_secret_key()
'xxx-xxxx'

この文字列は後ほど使用しますので、メモしておいてください。

Procfileファイルを作成

これ以降は、Windowsの場合はWSL2(Ubuntu)を使用し、Macの場合はターミナルを使用します。
Djangoプロジェクト直下でコマンドを実行します。

Procfileファイルを作成し、Djangoのサーバの設定を行います。

$ echo "web: gunicorn djangoCalendarApp.wsgi --log-file -" > Procfile

‘-‘を指定すると、標準エラー出力にログを出力します。

runtime.txtファイルを作成

先ほど確認したPythonのバージョンを指定し、runtime.txtを作成します。

$ echo python-3.10.2 > runtime.txt

私の場合は、3.10.2でしたが、Herokuのサポート対象でした。

Heroku Python Support | Heroku Dev Center
Reference documentation describing the support for Python using Heroku's Python buildpack.

Heroku用の設定ファイルの用意

Djangoの設定ファイルについては、以下の記事のように、機密情報は別ファイルで管理していました。
別ファイルにした設定ファイルは、Gitの管理対象外としていました。

機密情報はHerokuのConfigに設定することになりますが、その対応などを行います。

ローカルPCで開発サーバーを実行した時は、開発環境の設定ファイルを読み込み、Herokuでは本番環境の設定を読み込むように改修します。

ローカルPCだけで読み込む設定ファイルを開き、以下の定数を追加します。
(このファイルが読み込まれたときはDebugを有効にする)

djangoCalendarApp/settings_local.py
DEBUG = True

Djangoの設定ファイルを修正します。
以下のローカルの設定ファイルの読み込み行を削除します。

djangoCalendarApp/settings.py
from .settings_local import *

同じファイルの最後の行に、以下を追加します。

djangoCalendarApp/settings.py
DEBUG = False

try:
    # 存在する場合、ローカルの設定読み込み
    from .settings_local import *
except ImportError:
    pass

if not DEBUG:
    # Heroku settings

    # staticの設定
    import os
    import django_heroku

    BASE_DIR = os.path.dirname(os.path.dirname(os.path.abspath(__file__)))

    # Static files (CSS, JavaScript, Images)
    STATIC_ROOT = os.path.join(BASE_DIR, 'staticfiles')
    STATIC_URL = '/static/'

    # Extra places for collectstatic to find static files.
    STATICFILES_DIRS = (
        os.path.join(BASE_DIR, 'static'),
    )

    MIDDLEWARE += [
        'whitenoise.middleware.WhiteNoiseMiddleware',
    ]

    # HerokuのConfigを読み込み
    django_heroku.settings(locals())

Debugが無効な場合に、Herkou用の本番環境設定ファイルを読み込むようにしています。
また、今回は静的ファイルも使用しますので、その設定を行っています。

静的ファイルを集めるためのフォルダを用意します。
先ほどの設定ファイルに記載した、「staticfiles」フォルダを作成します。
また、空フォルダの中には、.gitkeepファイルを作成しておきます。

staticfiles/.gitkeep

設定ファイルについては、私のGitHubリポジトリを参考にしてください。

https://github.com/chigusa-web/djangoCalendarApp/blob/main/djangoCalendarApp/settings.py

ここまでの変更について、Gitのリポジトリを作成しコミットを行います。

$ git init
$ git add .
$ git commit -m "heroku settings."
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Herokuへデプロイ

ログイン

Herokuへログインします。
q以外のキーを押すとブラウザが開きます。

$ heroku login

heroku: Press any key to open up the browser to login or q to exit:

ブラウザでログインページが開き、ログインを行うことができます。

「Log in」ボタンクリックでCLIの方でログインが完了します。

Logging in... done
Logged in as xxx@xxxx

アプリケーション作成

Herokuアプリケーションを作成します。

$ heroku create

Creating app... done, ⬢ xxx-xxx-xxxx
 https://xxx-xxx-xxxx.herokuapp.com/ | https://git.heroku.com/xxx-xxx-xxxx.git

「xxx-xxx-xxxx」の部分は、アプリケーション名でありランダムな名前が自動的に選択されました。

この時点でWebのダッシュボードを確認すると、作成されたアプリケーションが確認できます。

HerokuのConfigにSECRET_KEYを追加します。
値については、事前に取得した文字列を指定します。

$ heroku config:set SECRET_KEY='xxx-xxx'

プッシュを行いデプロイします。

$ git push heroku master

Herokuへデプロイすると、PostgreSQLのデータベースも自動で作成され、設定も追加されています。

以下のエラーが出る場合があります。

remote: -----> $ python manage.py collectstatic --noinput
..
 ! [remote rejected] master -> master (pre-receive hook declined)
error: failed to push some refs to 'https://git.heroku.com/xxx.git'

静的ファイルを集めるのに失敗してデプロイできない場合です。
一度以下のコマンドで無効にしてプッシュしましょう。

$ heroku config:set DISABLE_COLLECTSTATIC=1

プッシュができた場合は、以下の設定を無効にし、再度プッシュするとうまく行きました。

$ heroku config:set DISABLE_COLLECTSTATIC=0

各アプリの静的ファイルについては、以下のフォルダに集められているのが確認できます。

$ heroku run ls staticfiles

Running ls staticfiles on ⬢ xxx... up, run.5097 (Free)
admin  scheduleCalendar  staticfiles.json

HerokuのWeb画面からもConfig値が確認できます。

テーブルを作成します。

$ heroku run python manage.py migrate

アプリを起動します。

$ heroku open

動作確認

ブラウザでアプリが開かれますが、トップのURLには何も設定していないため、以下のURLにアクセスします。

https://xxxx.herokuapp.com/sc/

カレンダーの画面が表示されました。

静的ファイルのapp.jsファイルを読み込んでいるため、イベントの登録も正しく行え、DBに登録されていることも確認できます。

管理画面の確認

ついでに管理画面も確認します。
管理者ユーザを作成します。ユーザ情報は任意で設定してください。

$ heroku run python manage.py createsuperuser

以下のURLにアクセスします。

https://xxxx.herokuapp.com/admin/

ログイン画面が表示されました。
先ほど作成したユーザでログインします。

管理画面にログインすることができました。

PostgreSQLのデータを確認

PostgreSQLのデータを確認する方法は、以下の記事で解説しました。

さいごに

Herokuを使って、Djangoプロジェクトを公開する手順をまとめました。

個人開発でとりあえず公開して使ってもらいたい、と言う場合に手軽に公開できます。
是非活用してみましょう。

他にも私のブログで、Djangoについて解説している記事がありますのでご覧ください。

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